AIO対策※1では、結論を冒頭に置くことや FAQ の構造化データ※2が効果的だとよく言われます。しかし、本当に効果があるのでしょうか。
そこで2026年9月に、生成AIに引用※3されるページとされないページで何が違うのかを計測しました。
28問の質問を4種類の生成AIに尋ね、生成AIに引用されたページと、同じ質問で Google の検索結果に出たページを合わせて、約1000ページを調べました。
生成AIによって記録できる範囲が違うため、質問と生成AIの組み合わせごとに、調べる内容を変えています。
| 質問 | 生成AI | 調べたこと |
|---|---|---|
| BtoB の特定の業種について、生成AIに聞かれそうな22問 | Google の AI Overviews※4 | 引用されたページとされなかったページの違い。検索順位は22問すべてで、質問に直接答えているか・結論の位置・FAQ の構造化データはうち12問で比べた |
| 同じ22問 | Claude・ChatGPT・Perplexity※5 | 引用先が Google の検索結果の1ページ目に出ていたか |
| 1つの会社の社名を入れた6問 | 4種類すべて | その会社の公式サイトを引用したか |
- ※1 AIO対策:生成AIの回答で、自社のページが引用されるようにする取り組みです。
- ※2 FAQ の構造化データ:よくある質問と答えを、検索エンジンが読み取れる形でページに書き添えるものです。
- ※3 引用:生成AIが回答の根拠として、ページへのリンクやサイトの名前を示すことです。
- ※4 AI Overviews:Google の検索結果のいちばん上に出る、生成AIがまとめた回答です。
- ※5 Claude・ChatGPT・Perplexity:それぞれ Anthropic 社、OpenAI 社、Perplexity 社の対話型の生成AIです。質問によって Web を検索し、引用先を示して答えます。
AIO対策を計測して分かったこと
引用されるページは、生成AIによって大きく違っていました。
AI Overviews で、引用されたページとされなかったページの間に違いが見られたのは、検索順位と、質問に直接答えているかどうかの2点でした。検索順位が高いページほど、多く引用されていました。また、質問に直接答えるページは、近い話題を扱うだけで質問には答えていないページより多く引用されていました。この差は、検索順位を5位までと6位以下に分けて比べても残りました。一方、結論を冒頭に置くことや FAQ の構造化データでは、差が出ませんでした。
ここでいう「質問に直接答えるページ」には、その質問だけを扱ったページと、より広い話題の中でその答えを1つの項目として書いたページの両方が含まれます。今回の業種とは別の例を挙げると、「税理士 変更 手続き」という質問に対して、税理士を変えるときの手続きを説明した記事が、直接答えるページです。説明が記事の後半にあっても直接答えるページとして数えています。答えが記事のどこにあるかは、「結論の位置」として別に比べました。
Claude・ChatGPT・Perplexity が引用したサイトは、大半が Google の検索結果で10位以下、つまり1ページ目には出てこないサイトでした。
社名を入れた6問では、その会社の公式サイトを引用しない生成AIもありました。
AIO対策の効果の計測方法:生成AIごとの比べ方
AI Overviews については、引用されたページとされなかったページを比べました。対象は生成AIに聞かれそうな22問で、各質問の検索結果の1ページ目に表示されたページ(広告などを除いた1〜9位)を比べています。AI Overviews が1ページ目以外から引用したページは、この比較には含めていません。
質問に直接答えているか、結論の位置、FAQ の構造化データの3点は、22問のうち、解説記事が答えになる12問に絞って比べました。「〜とは」「発注の注意点」「選び方」のように、読んで理解するための質問で、検索結果には解説記事が並びます。残りの10問は、「〜 事務所 東京」のように会社を探す質問で、検索結果には会社一覧やサービスのページが並ぶため、ページの書き方を比べられません。
12問では件数が少なく、偶然の差と区別しにくいため、まず7問で比べ、そこで出た差が別の5問でも再現したときにだけ、差が出たと判断しています。
Claude・ChatGPT・Perplexity については、引用先が同じ質問の Google の検索結果の1ページ目にも出ていたかを数えました。Claude は引用先をサイトの名前でしか示さないため、ChatGPT と Perplexity もサイト単位で数えています。
社名を入れた6問では、4種類の生成AIがその会社の公式サイトを引用したかを数えました。6問のうち1問は、社名ではなく、社名を含むドメイン名で尋ねています。
検索順位が高いページほど、AI Overviews に引用されていた
AI Overviews は、検索順位が高いページほど多く引用していました。22問の検索結果で5位までに入ったページは52%が引用されたのに対し、6位以下(6〜9位)のページは27%でした。5位までの中でも、1〜3位は57%、4〜5位は44%と差があります。
質問に直接答えるページは、5位まででも6位以下でも AI Overviews に引用されやすかった
質問に直接答えるページは、5位まででも6位以下でも、近い話題を扱うだけのページより多く引用されていました。12問で引用された割合を比べると、5位までは直接答えるページが60%、近い話題を扱うだけのページが38%でした。6位以下でも、直接答えるページが42%、近い話題を扱うだけのページが13%と、直接答えるページのほうが高くなっています。
12問の1〜9位を順位で分けずにまとめると、引用された割合は直接答えるページが54%、近い話題を扱うだけのページが24%でした。ただし、直接答えるページは上位に多いため、この差には順位の影響も含まれます。それでも、順位を5位までと6位以下に分けて比べても差は残り、最初の7問でも、確認に使った別の5問でも同じ結果でした。
結論の位置では、AI Overviews の引用に差が出なかった
結論を冒頭に置くことは、よく勧められる施策です。しかし、質問に答える最初の文がページのどこにあるかを比べると、AI Overviews に引用されたページとされなかったページでほとんど変わりませんでした。答えの文があるページで比べると、その位置の中央値は、どちらも本文の上から約3割の地点でした。この結果は、最初の7問でも、確認に使った別の5問でも同じでした。
FAQ の構造化データでは、AI Overviews の引用に差が出なかった
FAQ の構造化データもよく勧められる施策ですが、AI Overviews の引用には差が出ませんでした。最初の7問では、この構造化データを入れたページのほうが多く引用されていました。しかし、確認に使った別の5問では同じ結果になりませんでした。7問だけに出た違いは偶然でも起こりうるため、この記事では差として扱っていません。
Claude・ChatGPT・Perplexity の引用先は、大半が Google の検索で10位以下だった
Claude・ChatGPT・Perplexity が引用したサイトは、大半が Google の検索結果で10位以下でした。その割合は、3つの生成AIで66〜96%にのぼります。AI Overviews は反対で、引用したサイトの74%が9位までに入っていました。
ここでの「10位以下」は、同じ質問の検索結果の1ページ目(1〜9位)に出てこなかったサイトのことです。10位より下に出たのか、検索結果にまったく出なかったのかは分けていません。AI Overviews の引用先も、ほかの3つの生成AIと同じくサイトごとに数え、質問ごとの数を足し合わせました。
この3つの生成AIは、Web を検索せずに答えた質問では引用先を示しません。検索せずに答えたのは、Claude と ChatGPT が14問、Perplexity が1問でした。生成AIに聞かれそうな22問での結果は次のとおりです。
| 生成AI | Web を検索して答えた質問 | 10位以下の割合 |
|---|---|---|
| AI Overviews | 22問 | 26% |
| Claude | 8問 | 96% |
| ChatGPT | 8問 | 72% |
| Perplexity | 21問 | 66% |
社名を入れた6問では、公式サイトを引用しない生成AIもあった
社名を入れた6問では、その会社の公式サイトを引用しない生成AIもありました。AI Overviews と ChatGPT は6問すべてで公式サイトを引用しましたが、Perplexity は2問、Claude は1問にとどまりました。
公式サイトを引用しなかった回答を見ると、生成AIはどの会社のことかを正しく見分けられていませんでした。Claude は聞き返すか、情報が見つからないと答えており、公式サイトを引用できたのは、ドメイン名で尋ねた1問だけでした。Perplexity も、6問のうち4問でその会社を見分けられていませんでした。
このことから、公式サイトが引用されなかった主な原因は、AIO対策の有無というより、会社を見分けるための情報が足りないことにあると考えています。
対処として考えられるのは、会社情報のページに、社名と合わせて所在地や事業内容をはっきり書き、生成AIが会社を見分けやすくすることです。サイト全体をリニューアルするときは、会社の情報を正しく載せ直すよい機会になります。効果が出たかどうかは、同じ6問を続けて計測すれば確認できます。
この結果から言えないこと
今回の結果がこの先も続くかどうかは、まだ言えません。計測したのは2026年9月で、どのページが引用されるかは日によって入れ替わるためです。実際に、質問の1つを8日後に検索し直したところ、AI Overviews が引用したページはすべて入れ替わっていました。今後も計測を続けて確認し、結果が出たらこの記事を更新します。
ほかにも、次のことはこの結果からは言えません。
- Claude・ChatGPT・Perplexity でも、質問に直接答えているか、結論の位置、FAQ の構造化データで差が出るかどうか。この3つの生成AIでは、引用されなかったページとの比較をしていません
- ページの仕分けが正しいかどうか。同じページを2回仕分けて結果が一致したのは88%でした
- ほかの業種の質問でも同じ結果になるかどうか
- 社名の結果が、ほかの会社でも同じかどうか。社名で尋ねたのは1社だけです
- 会社名や所在地を検索エンジンに伝える構造化データ(FAQ とは別の種類)が、社名を入れた質問にどう影響するか
まとめ
今回、AI Overviews の引用に差が出たのは、検索順位と、質問に直接答えているかどうかでした。結論を冒頭に置くことや FAQ の構造化データを入れることでは、差が出ていません。また、Claude・ChatGPT・Perplexity は、Google で10位以下のサイトを多く引用していました。社名を入れた質問では、公式サイトを引用しない生成AIもありました。
自社のページで確認する場合は、社名を入れた質問と入れない質問を分けて用意します。そのうえで、どのページが引用されたかを同じ条件で月ごとに計測し、何か月か続けて同じ結果が出たときに、施策の効果と判断します。
自社に関わる質問で、どの生成AIにどのページが引用されているかを調べたい場合は、株式会社ライスボールにご相談ください。質問の分け方と条件をそろえ、月ごとに比べられる形で計測します。ご相談はお問い合わせのページからお送りください。